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しかも優斗の女性恐怖症筋金入り。目線をあわすことすらできず、近づいただけで震えが止まらなくなるほどなのである。
だから小学生からずっと男子校に通っている。
しかし優斗は女性受けしやすい可愛いルックスをしているのでアプローチを狙う女の子は少なくないらしい。
「それに優斗。お前の将来の夢を考えれば女の子に今の内になれるのは必要だろう?」
「それはそうだけど・・・・・わかったよ。一応、転入試験だけは受ける。それで落ちたら父さんも納得してくれるよね?」
「手は抜くなよ?手を抜いた場合は何が何でも転校をさせるからな!」
どんな権限使ってそんなことができるんだよ、と優斗は心の中で思った。
「ちょっと待って!お兄ちゃんが転校するんなら私はどうなるの!?」
「うむ!むろん、転校だ!!」
「ふっざけんな!!糞親父!!!」
大きく振りかぶったその華奢な腕はそのまま父ののどへストレートにはいる・・・恋華の得意技、ラリアットである。
「ふぅ・・・すっきりした。まあ確かに?あたし以外の女の人を怖がっちゃうお兄ちゃんだけだと心配だから、あたしもついていくのは当然か♪」
「な、なら・・・何故俺に攻撃を・・・」
「うるさい」
既に虫の息の父の鳩尾を容赦なく踏む恋華。
父はそのままぐったりしてしまったのは言うまでもないだろう。
・・・・・・・・・・・・・・そして現在に至る。
あの後、真剣に転入試験を受けるとほぼ満点合格だったらしい。対する恋華は割りとぎりぎりだったらしい。
その恋華は、優斗が起こしても起きなかったため、現在も家で寝ている。
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