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優斗が早くに学校に来たのは、実はこの学校の保険医が優斗の叔父だったからだ。
父からの伝言によるとこの学園のことを教えると言うことなのらしい。
「やあ、久しぶりだね。優斗くん。」
「竜一さん。久しぶりですね。」
校舎に入る昇降口に一人の男性が立っていた。
男前とはっきりと言える男性。
名は成宮竜一。優斗の父とほんとに兄弟?と言えるほど似ていない人である。
逆に優斗と一緒に歩けば親子?と聞かれそうな男性である。
歳は29歳だが未だに独身。モテそうにもかかわらず何故結婚しないかと以前、優斗はたずねたところ、「僕には中々異性の運命的出会いがないのさ・・・」と言っていた事を今でも優斗は思い出せる。
「とりあえず立ち話はあれです。保健室でゆっくりと話しましょうか?」
「はい。」
そして保健室へと招きいれられる。
入ってみると保健室独特のシップのにおいや薬品のにおいがしそうなものだが、何故かこの保健室は甘い匂いがかすかにしていた。
「あれ?なんでこんなにいい匂いがするんですか?」
「ああ、何故かこの保健室に来る女の子達が多くてね・・・その子達の香水とかの匂いかな?」
この回答から竜一は女子生徒に大人気と言うことが確信されたのだった。
「さてと・・・ひと段落着いたところで学園説明としましょうか。あ、コーヒーでいいかな?」
「ありがとうございます。」
コーヒーを出され、お辞儀をする。
礼儀正しいのが優斗の強みなのであった。
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