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「この学園の名は私立桜花学園。小中高エスカレーター式の学園・・・・・・ということは知っているかな?」
「はい。そこらへんのことはお父さんから聞きました。」
「じゃあ話を続けよう。
基本的にこの学園の成績は高い。まあ、優斗くんの成績なら勉強にだってついていけるだろうけど・・・部活動も活発でね?特に吹奏楽部なんかはすごい頑張ってるよ。」
「そ、そうなんですか!?」
吹奏楽の言葉に初めて食いつく優斗。その反応に竜一は、おや?というような反応をしていた。
「吹奏楽に興味があるのかい?っとそういえば優斗くんは音楽が好きだったね。」
「はい。できれば見学とかもしたいんですが・・・」
「OK。僕は吹奏楽の顧問の先生と仲がいいから直接掛け合ってみるよ。
っと話の筋道がまたそれてしまったね。
それにしても兄さんも酷いことするよね?」
頭をぽりぽりとかいて呆れるように言う竜一・・・・・・・・どのような遺伝子でこの兄妹が生まれたのは世界の七不思議と言えよう。
「まあ大変だとは思うけど頑張ってね?しんどくなったらいつでもここに来ていいから。っとそろそろ職員室に呼ばれてる時間じゃないかな?」
「あ!本当だ・・・じゃあ竜一さん!親切な説明、ありがとうございます!!」
急いで保健室を出る優斗。その微笑ましい行動を見ながら竜一はふと愚痴をこぼした。
「何故・・・・・・あんないい子が兄さんの子供なんだろうね・・・」
なんかリアルな呟きだったのは誰にも聞かれないのであった。
(うう・・・なんでこの学校、こんな女の子が多いんだ?)
優斗は肩身が狭そうに少しだけかすかに震えながら歩いていた。
何故か先ほどからすれ違う生徒は女ばかり。男子とは一度もすれ違っていないと言う悲しい現実。
優斗は今現在で既に憂鬱な状態であった。
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