第1章:邂逅

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だが、その時には、高野は駆け寄ってきた男たちに囲まれていた。 「怪我はないか!?」 「一体、何があったんだ!? 君以外に生存者はいないのか!?」 「・・・えと・・・その・・・」 高野は矢継ぎ早に繰り出される、質問責めに会い、たじろぐ。 取り敢えず、何から答えたら良いか迷っていたとき、人混みの向こうから、 「おい、止めないかね」 おっとりした、だが、強い口調の声が聞こえてきた。 それが鶴の一声となり、作業服姿の群衆は黙り込む。 高野が目の焦点をそちらに合わせると、そこには軍服姿の男性が二人、立っていた。 「少し、下がってくれないかね」 作業服姿の男たちが、申し訳なさそうに下を向き、彼等のために通路を空ける。 軍服姿の男たちは、それに目もくれず、高野の方に一直線に歩いてきた。 「君は、学生・・・日本人だね?」 男は、高野が着ている学生服に気付く。 「・・・はい、あなたは?」 「ん?私か、私は見ての通り、海軍の者だが。」 男は高野を諭すように答える。 「・・・海軍?」 ・・・そんなバカな。 ・・・今の日本にあるのは海上自衛隊であって、海軍なんて組織は存在しない。 ・・・まさか、俺はタイムスリップしてしまったのか?
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