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昼休み。
俺が唯一和むことの出来る空間。
放送部が流すジャズ。
各自大人しく昼食を食べて、
俺にとって静かで落ち着く世界だ。
正直、この学校でまともな部活と認識している。
今日も、うるさい奴と飯を食べるけれど、俺は放送が楽しみで仕方がなかった。
「放送部がお送りします。今日の曲は…」
と、お待ちかねの放送が始まった。
「ちょぉおぉおっと、まったぁぁああ!」
いきなりスピーカーから、部員とは違う声が聞こえた。こんなことは初めてで、俺は唖然として弁当を進める箸が止まった。
佐藤は俺のカニクリームコロッケを盗み食いしようとしたので、叩いた。
「な、なんですか!?貴方たちは!今、放送中なんです。出ていってください!」
パーソナリティーの人が叫ぶ。
すごい!すごいまともだ!
俺は心から感動しつつ、パーソナリティーの健闘を祈った。
「ここは俺たち、マルチーズ宗が乗っとった!!直ちに、立ち去ってもらお」
ブツッ
俺は音声を切った。
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