スクールライフ その4

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「移動しようぜー」 そうか、次は体育だ。 俺達は更衣室に移動することになった。 体育。 『ドッヂボールか…』 きっと仲を深めようという考察だろう。まぁ、体を動かすのは嫌いではない。 「同じチームだな!」 『あぁ、鬱だよ。敵なら直ぐに狙ってやるのにな。』 佐藤はボールを頭に乗せながら近寄ってきた。そのボールを取り上げて、内野に入った。 体育は合同で行われ、隣のクラスと対立して対戦する。1クラス2チームにわかれた。 「俺達のコンビネーション見せてやろうぜ!」 俺は気づいていた。 佐藤がズボンを後ろ前に履いているのを。 なんとなく始めたドッヂボールは、意外と盛り上がりを見せた。男子ならではの、闘争心なのか、男達は敵を打ち落とすことに、快楽さえ覚えていたのだ。 女子は、バレーボールだ。隣のコートでキャッキャッと軽く試合をしていた。 「ふはは!受けてみろ、この豪速球を!!」 相手のチームの一人が、勢いをつけながらボールを投げてきた。それは一直線に俺の元へ。俺は反応が遅れて、当たると思った矢先だった。 「へっ…こんな、玉当たるかよ…」 『お前誰だよ…』 「俺は前橋太朗〈マエバシ タロウ〉だ!よろしくな」 俺の前に颯爽と現れた髷野郎は、見事ボールを受け止めたではないか。確かに学校で見たぞ、この侍もどき、髷野郎。そんな前橋太朗に挨拶を返して、自己紹介を取り敢えずした。 「おーい!そのボール俺にくれよー」 外野にいた佐藤が前橋に手を振る。前橋は頷いてから投げるフォームに入った時だった。 『!』 アイツ…上の体操着まで、反対に着てやがる! 俺は唖然として、前橋の肩を掴んだ。 「どうした、木村殿」 お前はもうその侍もどきキャラで行くんだな。登場してから全くキャラが定まって無いもんな。 『俺に投げさせてくれ』 俺はボールを受け取り、息を吐いた。 アイツは、さっきまでズボンだけが反対だった。それが今では上の体操着まで反対にしているんだ。 アイツ…佐藤はツッコミを待っている。俺はそれに答える義務がある。 『これが、俺の全力(ツッコミ)だ!』 「佐藤、服後ろ前だぞ」 「あ、ホントだ」 『ボケてないんかい!!』 「あぴぷ!」 俺は先程俺を狙った男にボールを当てた。
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