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首を痛めた俺は、佐藤にローキックをお見舞いした後、二人で登校することになった。
ちなみに、鳩はまだシルクハットの上にいる。怪我は無かったようだ。
「あ、でさ、今日は柳田を狙おうと思うんだ!」
『どうやって』
柳田〈ヤナギダ〉とは、うちのクラスの担任である。
「パイ投げ」
『なるほど。だからその鞄からクリームが溢れだしてるんだな。』
佐藤の鞄から白いクリームが溢れていた。なぜ、そのまま?
『ラップに包めよ・・・ちょっ、近づけんな!ベタベタする!』
溢れたクリームを手に取り、俺に押し付けてきた。それもいい笑顔で。
走って逃げながら、校門を抜けてホッと一息ついた。
校門には、いつも先生が一人立っている。名前はまだ知らないが、いかつい雰囲気の男の人だ。
振り返ってみると、そこには、普通に校門を通り抜けて、クリームを手に一杯つけた佐藤が追いかけてきた。
『止めろよ!!』
先生に対して叫んだ。
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