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S.T
「って、縛って!強く!の略なの?」
『誰からの入れ知恵だよ』
S.Tが近づく途中、佐藤がおもむろに聞いてきた。俺は直ぐに言葉を返すと、佐藤は少しボーッとして、とある人物を指差した。
「有川」
『よし、来い。有川』
「いやん、強引」
俺は座っていたため、親指を立てて有川に指示した。
名は、有川明里〈アリカワ アカリ〉。顔立ちが整った可愛らしい少女だ。だが、この少女はドMでやたら俺に付きまとってくる。
「木村君が私を呼んでくれた。明里嬉しい…!」
『悪い。やっぱりいいから、離れてくれ。』
「もっと蔑んだ目で見て!もっと!」
俺は、無視して佐藤に目を向けた。
『いいか?コイツの言うことだけは、信じるなよ?』
「おう!わかった、三郎!」
『俺は、木村敬〈キムラ タカシ〉だ…』
ここにきて自分のフルネームが割れた。
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