スクールライフ その2

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「なぁなぁ!ジュース買いに行こうぜー」 『あぁ、いいよ』 俺はまだ学校の構図が分かっていないため、佐藤についていく形になった。 廊下を歩いているときに、俺の足に頻繁に何かが当たるのだ。俺はそのたびに足に目をやるのだが、なにもないではないか。薄気味悪くなって、佐藤に声をかけようとしたときだ。 佐藤のベルトから、サッカーボールをいれる網袋に、野球ボールを入れてそれを器用に蹴りながら歩いていた。そしてたまに俺に当たっていたのだ。 あぁ…確信犯か… 俺はそのまま無言で、網袋を引っこ抜いた。 「あふぅ!」 野球ボールで遊びながら歩く佐藤と俺は、自販機にたどり着いた。 そこにいた人物を流し見たあと、自販機と向き合い、言葉を吐く。 『なぁ、あの人大丈夫なのかな…』 「あぁ、そめっち?」 そめっち?と首を傾げると、財布を出したままで後ろを振り返った。 そこにはドラム缶に挟まれた男性一人。ドラム缶が2つあるその隙間、10㎝あるのかというところに、挟まっているのだ。 佐藤は近くまでいき、声をかけた。 「そめっち、今日も挟まってんなぁ」 「おお、佐藤か。ん?そっちは見たことないな」 どうやら俺に話しかけているらしい。顔が挟まれ過ぎて、見えない。俺はその光景に戸惑いつつも、軽い会釈を残して挨拶した。 『木村です。』 「木村って言うのか。俺は、染川〈ソメカワ〉だ。よろしくな。ちなみに、理科担当だ。」 『教師がここでなにやってる…』 教師だとわかり、敬語になりかけたが、軽蔑の眼差しで染川をみた。 「いや、精一杯金属と戯れているのだよ。君も一緒に」 『結構です。』 俺は直ぐに離れて、自販機でジュースを買って、佐藤がいないことに気付き、振り替えると、いつ用意したのか、佐藤が同じようにドラム缶に挟まっていたのだ。 『この仕事人があ!』 俺は買った缶ジュースを投げつけた。 「「缶だけに?」」 『もういい…帰る』
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