決意

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決意をしてから我が一族に伝わる秘宝な情報を調べ始めた。 けれどこれといった収穫はなくただただ時間だけがなくなっていった。 「…このどこかにあるはずなんだ!」 くそっ!!! 時間がない。 メイコを助けるためにはあの秘宝が必要なのに。 そんな時期に気持ちが晴れず気晴らしにつりへ出かけることにした。 「…カイト!でっかい魚釣ってねぇ!私が食べるから」 「メイコさん。半分とか分け前とかないかな?」 「ない」 当たり前でしょみたいな顔をされる。 でもこれがメイコなりの話し方。 最近少しだけど元気がない気がする。 「んじゃぁ行ってくるね」 「うん、気をつけてね」 ――――――― ―――――― 「…はあ。メイコに何か気晴らしにとは思ったけどなぁんも出てこないや」 釣りをしながらため息と後悔が淡々と出続ける。 「せめてもだ。メイコがびっくりするぐらいの魚を手に入れないとな」 釣り中の中聞き覚えの声がカイトの耳に入る。 「坊主。久しぶりだな」 「あ、いつかのおじさん」 釣りを教えてくれたおじさん。 そしてメイコの真実を教えてくれた。 「…どうだ?中々のを穫れたかい?」 「さあ、まだどうも―…」 「…彼女も元気かい?」 さり気なく心配をしてくれるおじさん。 優しい人だ。
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