決意

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ただ一途に。 一族の掟に従いただあの森を守るのだろう。 「…お前さん変わったよ」 「?」 真剣に悩んでいた自分に老人が優しい眼差しで話しかける。 「彼女のためにそんな風に言ってくれる。わしゃ嬉しいよ、ありがとうな」 「そう言うんではないよ、おじいさん」 「そして彼女を“好き”でいてくれてありがとうな」 まるで父親のようなそんなセリフを自分に言うその表情はまるで本当の―…。 「おじいさん、まさか…」 「さあ、お行き。彼女をあまり待たせては行けないよ。彼女には時間がないのだからね」 ほらっと言いながら飛びきりの魚を自分にくれた。 そしてその後手を振りながら見送った。 「…なぁ。お前と俺の子はあの若僧に託してもいいよな、そしてあの歪な掟にあの子までもが巻き込まなくて良いな?なあ“○○”」 風のざわめきの中老人は静かに空に語りかけるのだった。
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