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「…どうすれば彼女の運命が解かれます?」
「ないに等しいと言いたい」
それはあまりに酷な話。
希望が絶たれた瞬間。
「けれどあの刀を欲するのであれば願え純粋なただそれだけであれは現れる」
「…難しいですね」
元々は我々一族の宝だと思い必死に守ってきたあの刀。
今でもそれは確かだ。
我々一族が大切にしてきた。
「…よくてあの女は数ヶ月であろう」
それは彼女の命の灯が消えるカウントを示していた。
“カイト”
“愛してるよ、メイコ”
ただ、それだけだ
俺にはそれしかなかった。
願いを。
望みを。
「ただ願えばいいんだな」
「簡単で簡単ではないがな、欲を少しでも出せばそれで終いよ。貴様の目の前には現れぬ」
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