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「恭哉が私を残して死ぬはずない!恭哉は死んでない!!」
辺りの声が消え、お坊さんのお経だけが響いている。
「みどりちゃん………恭哉が死んだことは、誰よりもあなたがわかっているでしょう?恭哉の死をあなたの所為だなんて思っていないわ。あなたは悪くないもの。……でも、あなたが恭哉の死を受け入れないと、恭哉が報われない。恭哉の存在を、ここに生きていたことを、あなたが否定しないてあげて、みどりちゃん。」
鈴おばちゃんのその言葉を聞いて、私は恭哉が亡くなってから流すことがなかった涙を一筋流した。
―――恭哉が死んだ
その事実だけが私の胸に突き刺さる。
ホントに死んでしまったのだと、もう会うことさえ叶わないのだと、その事実を受け入れた途端に、涙が溢れ出した。
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