新しい家族

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段ボールの中身を出して、箪笥や食器棚に仕舞う。 「ゴミ出してくるね。」 確かこのマンションは24時間ゴミが出せるはず。 ゴミ袋を持って玄関の扉を出て、マンション指定のゴミ捨て場に置いた。 ゆっくり伸びをして疲れた体を解放する。 空は今日も青く澄んでいて、絶好の引越し日和。 「よし、あと一息。」 気合いを入れ直し、勢いよく踵を返した途端、ドンと何かにぶつかった。 「イタッ。ご、ごめんなさい。」 見上げたそこには、長身の男がスーツ姿で立っていた。 「大丈夫?」 「は、はい。」 寝ぼけ眼の男に頭を下げて、勢いよくエレベーターに駆け込んだ。 「ちょっとカッコ良かったな。って何言ってるんだろ。」 .
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