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一方香織と忍は2人で店のカウンターに2人で並んで紅茶を飲んでいた。
「おばさん、話って何?」
終始ニコニコしている忍に怪訝な顔で香織が尋ねる。
「実はね、主人が店閉めようかって言い出したの。世界旅行に行きたくなったんですって」
「え?」
お店辞めちゃったら香織の仕事がなくなってしまう。
「でもね、多分あの人昔私に言ったこと思い出したんだと思うのよ」
忍は昔を懐かしむように、話し始めた。
20歳の頃、海外旅行に憧れて旅行会社に就職が決まっていた忍。
しかし、突然親の店を継ぐ決心をした恋人に、『俺が世界中見せてやるから、一緒になってくれないか』って言われたんだとか。
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