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いつの頃からか、心のどこかで望んでいた。
裕一との子供に服を作ることを。
だけどそんなこと言えなくて、もちろん純粋に可愛い子供服が作りたくて就職活動をしていたんだけど、香織の夢も忍の夢のように変化していた。
「もちろん就職して、それからいつかって事でもいいんだけど……」
香織の夢を大事にしてくれている裕一が愛しい。
「うん、作りたい。いっぱい裕一さんの子供に服を作りたい」
ポロポロと涙を流しながら裕一に抱きついた。
「よかった」
安堵して頬を緩めた裕一に追い討ちをかける。
「うん、裕一さんのところに永久就職したい」
「えっ、本当に?」
裕一の胸に顔を埋めた香織の耳に、いつもより何倍も早い裕一の鼓動が聞こえる。
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