15522人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、まず子供作らないとな」
不穏なセリフが聞こえて、裕一の胸から飛び退いた。
「冗談だよ。ちゃんと忍さん達に報告しなきゃな」
「……だよね」
ホッと胸を撫で下ろす。
「うちの親にも連絡しとかないとな」
一瞬であの賑やかな家族を思い出した。
香織の新しい夢の1つ、米村家の一員になること。
「喜んでくれるかな?」
「大丈夫、催促されてたくらいだから」
そういえば、最近毎日お母さんからメールが来るって言ってた気がする。
ちょっと嬉しい。
香織の涙を裕一が優しく指で拭って、唇が近づく。
「誓いのキス」
チュッと一瞬触れて離れていった。
「もう1回」
「姫の仰せのままに……」
.
最初のコメントを投稿しよう!