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「蜘蛛を退治したお礼。」
実際はもう退治済みだったから、拾っただけだけど内緒。
耳元で囁いてやれば、ビクッと体を震わす。
チュッ。
「えっと、あ…、その…。」
おでこに軽く口付けただけなのに、動揺しすぎだろ。
「今日はこれで許すけど、次はちゃんとしてもらうから…。」
そう言えば、また真っ赤な顔で俯く。
ついいじめたくなるのは何故だろう?
仕方がない、忍さんにも頼まれたし、恩は返さないとな。
「何かあったら隣にいるから。」
そう言い残して自分の部屋に戻った。
もう少し長居したら、手を出しかねない。
ギリギリ理性が保てた自分を、褒めてやりたい。
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