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仕事が一段落して時計を見ると、時刻は午後9時で、すでにオフィスに人はまばらにしか残っていない。
そろそろ行かないと、いつもの定食屋が閉まってしまう。
本当は9時に閉店なのに、俺のために10時まで待っててくれる。
だから行かない日は連絡するようになった。
ブーッブーッブーッ。
マナーモードの携帯が震えだした。
だいたいこのくらいに掛けてくるのは、決まっている。
「はい。」
『裕一、今日会わない?』
「いいけど…、10時にいつもの所な。」
『うん、待ってる。』
別に付き合っている訳じゃないけど、たまにこうやって連絡が来れば会う。
そんな関係の女。
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