新しい家族

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駆け落ち同然で結婚した両親には頼る親戚も無く、独りっ子の香織にとって初めての親戚だった。 父方の祖父母とは和解したが、香織が物心ついた頃には、すでにこの世にはいなかった。 「こんな田舎まで、わざわざありがとうございます。」 緊張しながら丁寧にお辞儀をすると、さっきまでの神妙な顔つきが一転、叔母が微笑んでいる。 「いやぁねぇ、そんな他人みたいに…。唯一の家族なのに。」 家族?久しぶりに聞く家族という言葉に顔を上げる。 「うちはね、夫婦2人なの。香織ちゃん、貴女が傍にいてくれてたら嬉しいわ。」 ドラマなんかだと、かなり迷惑がられるとか、遺産目当てだったりするところなんだけど、何だか様子が違う。 「…一緒に?」 .
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