怪談

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「あ、ぁ……あ…ッ」 僕の目の前に立っている人… さっきは確実に居なかった人物……。 『にしてもココのカレーパンは昔から美味ないなぁ』 茶色い髪のねこっ毛。 例えるならDEATH NOTEに出てくるニアみたいなヘアースタイルにトッポみたいなスタイル。 身長は確実におっきいはず。なのに顔は…とりあえずキレイ。これしか無い。 けど身に纏う衣服は僕と同じ校章付きの夏服で…上履きは一応緑。僕の一個上や…。 『…なん?そんなビックリしたん?自分腰抜けてもーてる』 カレーパンをぱくぱくと咀嚼しながら飄々とした口調の大倉先輩はゆっくりと僕の前で屈み込み、そして一言。 『で自分の叶えてほしい事は?』 ごくりとカレーパンを嚥下した喉仏に目がいく。と同時に僕の喉仏もごくりと嚥下した。 「…っッ叶えて、ほしいことはッ…え、と………あの…大倉、先輩のこと信じてなかったんで…いや!!お会い出来てめっちゃ嬉しいんですけど!!!、けど…そのぉ…」 叶えてほしいことが頭にない! だってほんまに居るなんて信じてなかったし!何より、叶えてほしいこと? そんなんめっちゃ有りすぎて分からへん!!! 『ふぅーん。ほな要らんのや?』 「いやいや!!!あります!あります!」 『んなら何やねん。はよ言ーや。あほちんぱ』 「え?!ちんぱ??」 『んもーうるさいわ!はよ言え!俺は寝たいねん!』 「えぇええー!!!!んな理不尽なぁ…」 結局、その場で叶えてほしい望みは伝えられなかった。  
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