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「誰」
「校長室」
「違う、誰」
「校長先生が?」
「あんたが!」
私の言葉に、彼女は首を傾げる。意味が分かっていないのか、はたまた私の言い方が悪いのか。
「校長先生は知らない。私は河原(かわはら)さんだよ~」
そう言うと河原さんと名乗る彼女は、また満面の笑みを浮かべた。
私はため息をつき、当初の目的であるはんぺんに向かい、再び歩みを進めた。
「校長室の場所教えてよ~」
「下だって言ってるでしょ」
「2階? 1階?」
「1階」
「じゃあ連れてってよ」
「今忙しい」
「場所知らないんだよ~」
「知らないよ、そんな事」
「何で怒ってるの~」
歩きながらでは埒があかないと思い、私は立ち止まって河原さんに捲し立てた。
「校長室は1階の一番端っこ! こっちはあのはんぺん野郎の正体を突き止めてやろうとしてるから忙しいんだ! 河原さんには見えてないだろうけどね!」
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