「もういやだー!
かえりたくなーーいっ
ゆーいちのばかぁぁぁぁぁ」
比較的うるさい居酒屋でよかった。
電話しに、外に出たたっちゃんが
帰ってきた瞬間叫んだ。
「どうしたの?」
だいたいの理由はわかるけど。
「ゆーいちが今日も会えないんだって。
腹立つ。まじもういいー。
知らないもん、ゆーいちなんて!」
相当飲んだせいか、
出来上がって叫んでるたっちゃん。
さっきから視線を集めてます。
「たっちゃん、取り合えず静かに。
愚痴聞くから、ね?」
俺のキャラじゃねぇな、こんなん(笑)
「そぉえばさぁ、亀はどーなの?」
「うん?」
喋り方からして相当酔っぱらってる。
「だからぁ~。赤西さんと~。」
急に出された名前。
皆言ってるよ?
赤西さんと亀がいい感じだって、と
喋るたっちゃんをよそに赤くなる頬。
「赤西さんと…って。なにもないよ?」
それを誤魔化すようにジョッキにはいった
ビールを飲み干す。
「ほんと?」
「あるわけねぇじゃん!」
胸がズキズキ痛むのは気づかないふり。
「あ!ゆーいちからだ。
もしもし?ゆーいち?」
恋人さんかぁ。
「え?会えるの?…わかった!
早くしろよ、ハゲ。
……ぐふふ。まってるじゃあね」
暴言も吐きつつも、明らかにルンルンな
たっちゃん。
「ごめん、亀!」
「いいよ。行ってきな?」
「悪いっ!」
「なら、払って?」
冗談で言ったら、財布から
一万円札を出して、出口に向かう
たっちゃん。
幸せそうだな…、そう思って
ビールをおかわりした。
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