テノヒラ

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恋をして。それは泡の様に 私の心から消え去っていきました。 青空が哀しく澄み渡り その向こう側ではお変わりないですか? 朝,昼,夜通し独り 涙拭いて そっと。 まただよ!あの声,君とよく似た…… “会いたい。” 今,空に浮かべた声が空気と混ざり合う “君の手が,つかめますように。” ―そう,願うの。 旅を捨て雲へ向かう独り, 私の行き先は何処にあるのでしょう 青空は優しく突き放す。 その向こう側には届かせまいとして。 ただ 見た 君の温度を 触れたとして, 散った思いをどうして儚いと呼べるの? どうか今,手を振れず,過ぎる「今」 それを忘れないで。 君の手の平を思うだけの日常で, 泣きたい。 今,空に浮かべた君を空気に溶かしても 変わらない気持ちがあるだけ ―それだけです。 さよなら。
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