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呑めや歌へや 今宵杯を交わせ
人里 陥落し 魑魅魍魎集ふ
騒ぐ歌 罵詈(ばり)我よ我と蠢く百鬼の影
愚者と知りて束ねし我 誅略の意を今
鎹(かすがい)は朝霧の様相
理性 呼び戻すまじ
全て焼き尽くさんとする火よ
我が下僕になりてたもれ
あなやと群衆の視線
何も要らぬ何も見へぬ
遥か彼方 紅蓮の虚空(そら)
業火に手向けた彼岸花
僅かながら気を許した君さへも手に掛けた
黄泉路(よみじ)に入りて九十九の夜
翳事(かげごと)喰らひ我に続け
あれよあれよと言ふ間に干からびる亡者
やんごとなし醜くき者
是 其の閾値(いきち)屠る帳 九尾の夜叉
明松(たいまつ)丸 狂骨
刹那と知り印を結ぶ
師を大喝一斉(だいかついっせい)
そちたちの中に居らぬか
此の鈴音(すずね)聞こえる者は
さある視線で余を眺むるな
眉を顰(ひそ)めし群衆の視線
此の魂 夜にあくがる
何も言ふな何も聞くな
さぁ迷へる妖共よ
浮世の目を覚ます挽歌を
骨は軋み血を流し
・ワレニツヅケ‥我に続け
全て焼き尽くさんとする業火(ひ)よ
身も心も灰に帰せて
萬(よろず)の情や記憶さへ
何も要らぬ何も癒へぬ
遥か彼方 紅蓮の虚空(そら)
業火に手向けた彼岸花
狂おしいほど愛してた
君さへも‥君さへも‥
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