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それがなんという事か、その兄君を差し置いて自分が王宮のお抱え文官
しかもプリンセス専属の教師役だなんて。
兄君も姉君ももちろん私も顎が外れるほど大口でビックリだ。
「どうかね、君しか居ないのだよアルフレッド=マイセン」
「……慎んで、お受け致します」
どうであれ、断る事の出来ない立場である。
それに正直、なりたくて兄君姉君の影になるわけじゃない。
それが今までの最善であっただけの事。
私はいい隠れ家として書庫を愛していたけれど、もちろん本を読むのが好きだからこそだ。
王宮の秘蔵書の数々。
それに触れられるようになるなんて素晴らしく知識欲を駆り立てられる。
少しだけ、兄君姉君に対する劣等感も“私が選ばれた”事によって薄れるのも確かであるし…
「有難い返事だよアルフレッド。では話を続けよう」
「知っての通り、我々の姫様はお二人おられる」
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