▼これから始まる。

5/7
前へ
/7ページ
次へ
僕は、小学六年生までここに住んでいた。 父さんが早くに死に、生活に困った母さんは水商売を始め、家にあまり帰らなくなった。 その時僕は、まだ小学二年生だったため、ばあちゃんは母さんを叱り、泣き叫ぶ母さんを置いて、僕をこの家で育てた。 僕が小学校を卒業した日、母さんは僕を迎えにきた。 ちゃんとした仕事に就き、二人で暮らせるマンションも借りた。と。 母さんは四年前のことを、酷く気にしていて、ばあちゃんに何度も頭をさげて謝ったし、僕と一緒に住み始めた頃も、僕になに不自由ない暮らしを用意してくれていた。 僕は今、昔住んでた自分の部屋の前に立ち 小さく、深呼吸をし 高鳴る胸の鼓動を抑えようとした。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加