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時刻は丑三つ時。
竹の間から漏れる青白い月の光が、永遠亭をしっとりと濡らしている。幽霊達が燐光を零しながら、戯れる時間。
そして、多くの幻想郷の住人は夢の中にいる時間であった。
だが、この永遠亭に住むお姫様の従者、八意永琳の寝室はまだ明かりが点いていた。
庭に面する障子からなかの燭台の光が漏れぼんやりと光り、炎の揺れで明かりが明滅している。
その部屋に、ウサ耳を付けた少女が入っていった。
鈴仙・優曇華院・イナバ。月から逃げてきた月の軍人である。
いつもは黒いブレザーとスカートを着用しているが、今は浴衣のような寝巻を着ている。
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