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部屋の中には薬師であり、うどんげの師匠である八意永琳が布団に座していた。
キカイダーのようないつもの服ではなく、うどんげと同じような寝巻を着ている。
うどんげは部屋に入ってすぐの畳に腰を下ろした。うどんげの頭の中では「また説教かな」という思いが逡巡していた。
永琳はその睫毛の長い眼でうどんげを捉えると話を切り出した。
「ごめんなさい。うどんげ・・・」
うどんげは何かの冗談だと思ったが、永琳の表情は普段うどんげを叱責するときのそれより鋭く、うどんげはこれが本気の謝辞だと理解した。
「師匠。どうしたんですか?」
「私は、貴女にしてはいけないことをしたの・・・」
「え?」
「でもね、うどんげ。永遠亭に住むみんなの貞操を守るためには必要なことなの・・・」
「貞操!?」
うどんげは眼を見開いた。
「実はね、貴女の性欲を去年くらいから薬で抑えているの・・・」
永琳は涙を零しながら言った。
「えっいや、師匠。え、何故!?」
「里の守人の白沢から聞いたのよ。いや、正確には鴉天狗のブン屋から聞いたんだけどね。貴女が寺子屋帰りの精通したばっかりの年齢の子供達を茂みに連れ込んで貪ってるって・・・。」
「なっ!?」
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