179人が本棚に入れています
本棚に追加
人間に見立てられたワラのカカシが真っ二つに斬られ草木の生えてない地面に落ちた。
それを昼間の太陽が明るく差した縁側に、チョコンと座る黒髪の男の子が興奮した様子で声を発した。
「父さんの剣はすごいね!」
男の子の視界には、日の光に輝く刀を構える一人の黒髪黒眼の男が映っていた。
チンと澄んだ金属音がなり、刀が男の腰から下げた鞘に収められた。
「アルク」
「はいっ」
男は座っている男の子を見る。
「今の抜刀術をちゃんと見れたかい?」
「…………わかんないや。一瞬だけピカッと光ったらカカシが斬られちゃったんだもん」
「そうか……」
父の言葉に男の子は下を向いた。
「気にするな、お前の歳で俺の抜刀術を一瞬でも見える奴なんてまずいない。誇りに思え」
最初のコメントを投稿しよう!