練習試合

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「慌てずいきましょ。 勝ってんのはうちっすよ」 辰見が冷静に、蔵馬より先にチームをまとめた。 確実に追い詰められたこの状況での辰見のメンタルは、超一流の選手であることを物語っていた。 辰見の言葉と地力で、蒼英は全くと言って良いほどうろたえなかった。 一回の攻撃にかけられる時間は最大24秒。 蒼英はそれをフルに使う。 時間がどんどん無くなる。 春日谷の必死のディフェンスを苦にしない余裕。 そして、残り10秒を切った瞬間。 「ナイスパス!!」 辰見のパスが春日谷ディフェンスを切り裂いた。 ほぼノーマークでボールを受けたのは蔵馬。 「くそっ……!!」 マークの和田は追い付けない。 蔵馬はシュートモーションに入った。
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