プロローグ

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「あんた寒く無いの?そんな薄着で。」 両手を口元に当て、息を吐きながら言った。 「ぜんぜーん。ほら、子供は風の子って言うじゃん?」 語尾に音符マークでも付くかの様に陽気に返され、少しだけ寒さが「マシ」になった気がした。 飛び石の上を歩き、少し下り坂になった駐車場を抜けた。 一方通行でもないのに、どう考えても車の離合など出来ない様な狭い道がある。 「見通しが悪いけんね」 と、注意を促して、その道を渡った。 新設されて初めて来たが、「そこ」は腰ほどの高さの黒の鉄製のフェンスに囲まれ、ゲートボール場ほどの広さがあった。
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