プロローグ

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「ふふふ、「俺は神様にも仏様にも願い事しかしてない。手を合わせる相手が違うってだけで、そんなに気を使わないでいいじゃないか。」って、屁理屈を言う人が居たのよ。」 「神様がどんだけ偉いダー」って言ってね。 思い出す様に少し遠くを見つめて、暖かな笑顔を浮かべた。 缶コーヒーのプルを空け、煙の立っているタバコの横に並べた 「人前では叩かない様にね」と言い、手を二回叩いた。 …パンッパンッ。 まるで針で突ついた様な痛みを両の手のひらに感じた。 空気が澄んでいるせいか、手の感覚が鈍く思ったより強く叩いてしまったのか、予想外に大きな音が響いた。 後ろからも…パンッパンッ。と、二回手を叩く音がして二人でゆっくりと黙祷を捧げた。
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