プロローグ

8/10

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
帰りの車の中、オーディオから流れる「GLAYのHOWEVER」の曲に、ハンドルを握った指でリズムをとりながら、帰りにどこかで外食して帰るか、家に帰って魚を焼くか考えていた。 「ねえ、なんか食べて帰る?魚でいいなら帰ってから焼くけど?」 広がる田園の奥に見える立ち煙を見ながら、緩やかなカーブに合わせてハンドルを少し右に切った。 「うーん、もう腹減ったし、なんか麺類食べたい。」 寒さで少し赤らんだ手をエアコンの吹き出し口に当てながら 「ラーメンかちゃんぽん」と付け加えた。 「またぁ?あんた昨日もラーメンって言ってラーメン食べたじゃん。」 「じゃあ、今日はちゃんぽん」 「まったく…」 呆れながらも、ちゃんぽん屋のある方に車を向かわせた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加