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その人がゆっくりと、こちらを振り返りました。
すると、見たこともない顔で、やたら顔色が悪かったのを覚えています。
しかし、私はまだ小さかった為に、「魂」や「霊魂」の存在を知らなかったんです。
だから、泣きながら、
「お母さーん、知らない人がトイレにいる。」
と泣き叫びながら台所まで走って行ったんです。
当時の私の家は、玄関からまっすぐの突き当たりに台所があり、台所を左折すると、その突き当たりにトイレがありました。
勝手口は台所の隣にあり、台所を通過しなくては家の外には出れない仕組みです。
トイレに窓は付いていますが、小さな窓で高い場所にあるので大人が簡単に出入り出来るような作りにはなっていませんでした。
外からだと、トイレの窓まで1・5メートル近く高さがあるので、どうやっても難しいんです。
そして、その窓のすぐ上に小さな屋根がついている為に容易に出入り出来ない仕組みなんです。
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