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みほちん! って……ん? あれ? 「きゃぁぁぁぁぁ!」 グラリと傾く体に、何とか手摺を飛び越える。 「ちゃ、着地成功!」 「……は?」 怒りのマークが語尾に付いてるんじゃないかと思うくらいの低い声がする。 恐る恐る顔を上げると、私に倒され尻餅をついた市ノ瀬君が、汚れた服を払いながらゆっくりと立ち上がり睨み付けた。 「うわ!……ご、ご、ごめんなさい……」 慌てて謝るが、彼の視線と眉間のシワは戻らない。 「お前……何?」 「わ、私……。みほちんを慰めようと思ったらつい身を乗り出し過ぎちゃって。 覗き見するつもりはなかったんです。冷たい人だなとは思ったけど、悪気も全然ないんです! 本当にごめんなさい!」 一瞬の間。そしてひやっと冷やっとする空気と共に、頭を下げる私の手首を強く握られる。 「えっ?」 そのまま持ち上げられ、市ノ瀬君の顔の前で止まる。指先がすっとした顎に触れそうになり、心臓がドクンと跳ね上がった。
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