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「水森さん、さっきはどうも。俺の家へようこそ」
お・れ・の…………うちぃ!?
「え、え、どうしたの? 二人は知り合い? あっ、学校同じだもんな。
僕は市ノ瀬哲也。こいつは息子の瑞希。初めまして」
後ろから背が高く長髪を縛った男の人が顔を出して言った。
哲也さんと瑞希と呼ばれたそいつの顔を何度も交互に見比べる。
夢だと思いたくて何度も瞬きするけれど、目の前の現実は消えない。どう見ても今日階段で会った、あの『市ノ瀬君』だ。
「初めましてって言っても、小さい頃に一度会ってるんだけどね。可愛かったなぁ。今は美人さんになって……僕、照れちゃうよ」
そう話し、鼻の頭をポリポリ掻いている。
美人さんだなんて……哲也さんすごくすごーく良い人!
「お世辞だから」
…………。
確かに顔は哲也さんに良く似ているけれど、アンタは嫌なやつ決定!
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