2.

4/16
23331人が本棚に入れています
本棚に追加
/937ページ
「水森さん、さっきはどうも。俺の家へようこそ」 お・れ・の…………うちぃ!? 「え、え、どうしたの? 二人は知り合い? あっ、学校同じだもんな。 僕は市ノ瀬哲也。こいつは息子の瑞希。初めまして」 後ろから背が高く長髪を縛った男の人が顔を出して言った。 哲也さんと瑞希と呼ばれたそいつの顔を何度も交互に見比べる。 夢だと思いたくて何度も瞬きするけれど、目の前の現実は消えない。どう見ても今日階段で会った、あの『市ノ瀬君』だ。 「初めましてって言っても、小さい頃に一度会ってるんだけどね。可愛かったなぁ。今は美人さんになって……僕、照れちゃうよ」 そう話し、鼻の頭をポリポリ掻いている。 美人さんだなんて……哲也さんすごくすごーく良い人! 「お世辞だから」 …………。 確かに顔は哲也さんに良く似ているけれど、アンタは嫌なやつ決定!
/937ページ

最初のコメントを投稿しよう!