2.

10/16
前へ
/937ページ
次へ
「パパはもういいから、ママにかわって」 『よりちゃーん、よりちゃーん!』 電話越しに間延びしたママを呼ぶパパの声がする。 『理子ちゃん、元気にしてる? 瑞希君、格好良いでしょ?』 ママは男の子だって知ってたの!? 『ママの目に間違いはないわ。 一年一緒に住めるなんて良いじゃない。何なら結婚前提で付き合っちゃっても構わないわよ。ママが許します!』 「ママ! 何言ってるのよ!? 私、ここには住めないよ」 『そこに住むのが嫌なら……今からこっちに来る事になるけど?』 ママの言葉に愕然としながらも、高校には通いたい。 「それは嫌……。一緒に住むけど何もないから!」 『あはははっ。はいはい。結婚は冗談として、哲也さんは本当に良い人だから、理子に良くしてくれる筈よ? 安心しなさい。 また電話するから。哲也さん達によろしく伝えてねー』 電話が切れる寸前に『りこー、りこぉ』と涙声で叫ぶパパの声が聞こえた。
/937ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23340人が本棚に入れています
本棚に追加