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「パパはもういいから、ママにかわって」
『よりちゃーん、よりちゃーん!』
電話越しに間延びしたママを呼ぶパパの声がする。
『理子ちゃん、元気にしてる? 瑞希君、格好良いでしょ?』
ママは男の子だって知ってたの!?
『ママの目に間違いはないわ。
一年一緒に住めるなんて良いじゃない。何なら結婚前提で付き合っちゃっても構わないわよ。ママが許します!』
「ママ! 何言ってるのよ!? 私、ここには住めないよ」
『そこに住むのが嫌なら……今からこっちに来る事になるけど?』
ママの言葉に愕然としながらも、高校には通いたい。
「それは嫌……。一緒に住むけど何もないから!」
『あはははっ。はいはい。結婚は冗談として、哲也さんは本当に良い人だから、理子に良くしてくれる筈よ? 安心しなさい。
また電話するから。哲也さん達によろしく伝えてねー』
電話が切れる寸前に『りこー、りこぉ』と涙声で叫ぶパパの声が聞こえた。
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