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だ、騙されない。騙されちゃダメ!
「だってそれはアンタが怒らすから……」
はっきり言ってやろうと大きな声を出すと、一歩私に近づき上から顔を覗き込まれる。
「アンタじゃなくて瑞希だから」
近いし、近いし、近いし! 息できないし!
「ぶぶっ。変な顔」
…………。
「アンタに言われ……」
「瑞希」
「言わないし! って言うか私、アンタに怒っ……」
「瑞希」
「……みずき」
「はい、良くできました」
子供扱いをされて怒りたいのに、満面の笑顔で私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回す瑞希にどうしていいか分からなくなる。
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