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何だか、上手く丸め込まれたような……?
瑞希の楽しそうな顔に、何に対してあんなに怒っていたのか分からなくなる。
まぁ……いっか……。
張りつめていた緊張が解け、ほっと安堵の溜め息をついた瞬間クスリと瑞希が笑った。
「さすがだね。もう忘れちゃったんだ。良かった」
ーー!?
さすがって何よ!
良かったって言ってるけど、私は全然良くなーーい!!
瑞希の胸を叩こうとするが、ヒラリと交わされ自分の部屋の前に行ってしまう。
「じゃあ、また明日。おやすみ……りーこ」
ドアが閉まる直前にまた少し開き、そこから顔を覗かせニヤリとして言った。
「ちょっと!」
何よ! 馬鹿にしちゃって!
ドアに向かって舌を出す。
でも……怒っている気持ちの裏側には、高鳴る自分の心臓。その夜はなかなか眠りにつく事が出来なかった。
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