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屋上には君と2人。風になびく彼のふわふわとした髪は太陽の光をあびてキラキラ光ってとても綺麗だった。
「山田涼介くんっ!入学式の時から一目惚れしてずっと好きでした。付き合ってくださいっ!」
「あ、ごめん俺子供いるから無理」
― 全部ひっくるめて好きだから ―
開いた口が塞がらないという事はまさにこの事だ。そんな僕を差し置いて彼は涼しい顔をして階段を下っていく。
「はっ!?え、はぁぁぁぁああ?」
口に出してもやっぱり疑問は消える事なく僕の大きな声は青空一杯の屋上に響き渡った。
慌てて階段を駆け下り自分のクラスへと入って僕の机で談笑している2人のもとへ急ぐ。
「よっフラレ男!頑張ったじゃん!」
と結果も話していないのにちぃは笑って言った。
「え?裕翔フラれたの?」
ともう1人の親友もかなり困惑している。いや、訂正。一番困惑しているのは僕だ。
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