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流石だ。
おもてなしの心をわかってらっしゃる。そう、熱風の出迎えなど要らない! この涼しさこそ、ぼくの求めていた歓迎の印なのだ!
……住人であろう人に変な目で見られた。
軽く咳払いをして、緋彩から聞いていた部屋の番号をダイアル盤に入力する。
ほどなくして。
『はい、緋彩です』
という声が機械から発せられた。
「あ、緋彩? ぼくだよ。着いたから来てみたんだけど――」
『ひゃうっ! ぼ、ボクボク詐欺ならお断りです!』
「いやいや、久しぶりとはいえその反応は冷たくない?」
『あ、もしかしてルカ?』
「あ、えーっと、うん」
なぜか彼女はぼくのことをルカと呼ぶ。
名前に入ってるわけでも、ましてや本名でもない。
一度聞いてみようかな。
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