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そう言い返したいけど今はそんな場合じゃない
『先に失礼しますっ』
[あ、あぁ…]
急いで荷物をまとめて会社を出た。
もう閉まっちゃったかな…
でも行くだけ行ってみようかな…!
淡い期待をして僕は動物病院へ向かった。
「クシュッ」
夜はやっぱり昼間よりも寒さが増してて、クシャミが止まらない。
とっ取り合えず着いたけど…灯りは付いてるし、もしかしてまだ起きてるのかな……?
どうしよう…
うおっこんな時にクシャミが出そう…っ…
「ハックシュンッ!!」
あー…
やっちゃったよ…しかもやたらと響いたしね…
ガチャ
「え?」
僕が大胆なクシャミをしてから、暫くして目の前の扉がゆっくり開いて、彼が出てきた。
『お疲れ』
「こんな時間にごめんなさい…!」
『気にしないで』
そう言われ中に入るよう促された。
「お邪魔します…」
『いらっしゃい、そこの黒いゲージにチビがいるよ』
寝ていただろうと思われるチビが、僕の傍にやって来た。
「チビ」
(にゃー)
あー良かった…
やっぱりあの時連れてきて正解だった。
『チビはずっといい子にして待ってたんだ、もっと撫でてあげて、はいどうぞ』
「ココア!」
『もしかして駄目?』
「ううん、大好き!」
『良かった』
そう言って彼もまたチビを優しく撫でた
『あ、上着なくて今日寒くなかったの?』
なっ何故それを知っているんだ…!?
「凄い寒かった!!」
『クスッ…帰りは忘れないようにしなきゃね』
帰りは……?
あ!思い出した!!あの時チビを包んだった!ずっと家に忘れてきたのかと思ってた僕は一体……。
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