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『あれ?パパまだ帰ってないよ~?』
家の駐車場にあると思っていた慎一の車は止まっていない。
『な~んだ。急いで損したよ~。
ママまだ買いたいモノあったのに~。』
真美はため息を吐きながら家に入る。
―――――
―――
夕飯も出来、真美と沙良は慎一の帰りを待っていたが、慎一は中々 帰宅せず沙良と二人で先に夕飯を済ましていた。
『ママ~。沙良、眠たくなって来た…』
時計を見ると時刻は夜の9時を指している。
『パパ遅いね~?沙良、もう寝なさい。明日もパパに行ってらっしゃい。するんでしょ?』
沙良は慎一と玄関での
行ってらっしゃいのハイタッチが日課になっている。
慎一が早朝出勤の時は起きれない時もあるが、お弁当を作る物音で起きてしまい、ほぼ毎日 家族で慎一を送り出していた。
よほど眠たかったのか、沙良の頭を優しく撫でていると、直ぐに可愛い寝息が聞こえて来た。
『ふふっ。口開けて寝てる。可愛いなぁ。』
子育ては大変だけど寝ている子供の顔は天使みたいで一日の疲れが癒される。
…はぁ。ホントに慎一は遅いなぁ…。
急な修理でも入ったのかな?
突然に急な仕事が入る事は珍しい事ではない。そう思っていると玄関が開く音が聞こえた。
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