異世界へ立つ

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さて、賊共をいい具合に追い払えた訳だが…。 「…これからどうしよ…」 依然として迷子なう。 せめてこの森の抜け方とか聞きゃよかったなぁ、失敗失敗。 ここまで来ると、前後左右が同じ風景に見えてしまう。 どうしよう、と誰に向けるでもなく呟いた独り言は、虚しくも虚空に消え行くのだった。 「………お、何だあれ」 戦闘の後、更にさ迷い歩くこと数十分。 前方に歩く、複数人の人影を瞳が捉えた。人数的に、さっきの武装集団でないことが窺える。 「ざっと2、300mってとこか…。追い付こう」 軸足に力を込め、全力で大地を踏み蹴る。 地面に軽いクレーターが出来ていたが、まぁ気にしない。 こんなスピードで木と衝突すれば折れることは目に見えているので、器用に木々の合間を縫ってを追いかけていった。 まだ見ぬ集団を目指し、あわよくば道案内と食糧ゲットを考えて。 小枝?当たった端からどっかにぶっ飛んでったよ?
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