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――何時もと変わらない情景。
大人たちはあくせく働き、下校中の小学生がふざけあいながら走り去る賑やかな夕暮れの商店街。
久し振りにバイトも部活も無い退屈な日に、俺はそこをただただ当てもなくぶらついていた。
晩御飯は何なのかなぁ、とか次のシフトはいつ入ってたかなぁ、とか取り留めの無い事を考えながら歩いていると、ふと視界の端に何かが映った。
野良猫かな?ともぞもぞと動くそれに期待を抱きつつ、近づいて除き込んで見る。すると―――
突如に奪われる視界、身体を襲う奇妙な感覚。
一瞬の内に体の自由を奪われ、そこで記憶は途切れた。
―――意識を手放す直前に俺が見たものは、真っ赤に染まる視界、そして俺の体だった―――。
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