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一緒にお風呂に入ろうとしたウララちゃんを止めて、先に入らせた後、1人で湯船に浸かった。 僕はお風呂が好きだ。 1人になれるし、気持ちがあったかくなるような気がする。 ゆっくり浸かり、僕はお風呂を出た。 自分の部屋に行くと、ウララちゃんがパジャマを着て座っていた。 「あれっ? その服…」 「姉御に貸してもらったんだ」 そっかそっか。 っん? 「姉御って?」 「姉御がそう呼べと」 姉さんならそういう事をやりそう…。 現に、やってるけど。 「あっ、もう寝るから、布団持ってくるね」 「いや、いらない」 えっ? ロボットだから、地べたに寝るって事? 「お前と一緒に寝る」 そっちか! そっちなのか! 「いやいや、困るよ。 そんな…」 会って間もないし、女の子に何の免疫もないのに…。 「そうか! 付き合って間もないからか」 そっちの間もないじゃないよ! ていうか、人の心を読めばいいのに。 「あまり、人の心を読まないようにしてるんだ」 今、バリバリ読んでんじゃん!! はぁ、もういいや。 布団、持ってこよ…。 布団をひくと、ウララちゃんがダイブした。 「フカフカ、気持ち良いな」 僕は思わず微笑んでしまった。 「なぁ、頼みがあるんだ」 「どうしたの?」 「朝起きたら、私の背中を開けて、ネジを回してほしいんだ」 …………………。 「はい?」 「右に24回、回せばいいんだ」 そこじゃないよ! 「背中を開ける…?」 「あぁ、押せば開くから。 強く押さなきゃ開かないぞ」 「ネジ…?」 「私はゼンマイ式なんだ。 24回で24時間保つんだ。 本当は充電式が良かったんだが、博士がどうしてもって言うから…」 「そこまで、聞いてないよ」 ツッコミどころ満載だけど、もう眠い。 「…おやすみっ!」 僕はベッドにダイブして、そのまま寝た。
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