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悠は次の日、風師匠と彼のパートナー、猿のリーチに見送られ飛行機に乗り、イタリアへとやってきた。
「ふぅ〓やっと着きましたね。マルスィさん」
「そうですね」
どうやらこの男。名はマルスィというそうだ。
飛行機の中で再度、自己紹介でもしたのだろう。
(それにしてもやっぱり人が多いな・・・)
人工的に作られた空間に行きかう人々。ここは空港なのだから当たり前なのだが、それでも人気の無い場所での生活に慣れていたため、悠は少しめまいがする。
「大丈夫ですか?」
「はい。すぐに慣れますから」
(まさか、ここまでになってたなんて・・・)
昔はこんなことなかったのに。自らに驚くなか、
「きゃあーーーーーー!!!」
聞こえてきた叫び声。直後、声のする方を見ると何人かが走ってきた。
明らかに普通でない。
「すみません、マルスィさん。ちょっと行って来ます!」
「す、少し待ってくださ・・・!」
止めようと手をのばしたが、もう彼女は先の方にいる。
マルスィは深い溜め息をついた。
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