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「ちょっと、そこの人!」
辺りが騒然となる。いきなり、関係なさそうな中国服を着た少女が声を張り上げたのだから無理もない。
「お前誰だ!」
「き、君危ないよ!下がってなさい!」
警察官の声は流し、覆面男の問いに答える。
「誰だ、ですって?ボクはたまたまここに来た通りすがりですよ」
そう言って微笑む悠。しかし、残念ながらそれは冷たい笑顔。
「そこの女の子を返してくださいね」
「はぁ?・・・・・!!!」
・・・それは少しの出来事であった。
「おかーさぁぁぁーーん!!!」
今ある事実。それは、少女が戻ってきた。
それだけ。
「さぁ、これで人質はいないですね」
悠の言葉に、そうだそうだと言うように警察官達は男に向かった。
(さ、戻らないと!)
それからすぐ男は取り押さえられた。
「そうだ、あの子にお礼を・・・あれ?」
既に彼女の姿はなかった。
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