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「では、ここにいる理由をお聞かせ願いませんか?」
「ただ、月が綺麗なものですから見に」
さらっと返された答えに師匠は眉をひそめる。
「おかしいですね」
「どうしてです?人間、惹かれるものあらば近づくものでしょう?」
「確かにそうかもしれませんが、今の貴女には当てはまらないように思えますが」
「・・・」
意をつかれたのか、黙る少女。
師匠は続ける、
「むしろ、今の貴女は月が憎いのでは?」
「・・・・・・・・・」
それからしばらく、沈黙が続いた。彼女は師匠から目をそらしていたが、ようやく何かを決めたのかまっすぐ師匠の方を向いた。
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